スイッチギアのエンジニアリング会社であるDormann + Winkels社は、主に金属産業向けのシステムを製造しています。新しいプロジェクトでは、ルーマニアにあるアルミニウム冷間圧延工場のスイッチギアを構築するよう依頼されました。圧延スタンドの駆動装置、コイルの巻き出し・巻き取り装置、コイル搬送装置には、すべて電気モーターが使われています。スイッチギアメーカーDormann + Winkels社のプロジェクトマネージャーコーネリアス・ウォルターズ氏は、圧延機用スイッチギヤで繰り返し起こる典型的な問題について、「以前は、小型補助ドライブの電気部品の位置決めにいつも悩まされていました」と話します。リタールのRiLine Compactを使用することで、Dormann + Winkels社は、スイッチギア内の大小のドライブ制御を効率的に配置するエレガントなソリューションを実現しています。
RiLine コンパクトでは、設置時間を約30〜40％短縮することができます。
周波数変換器を満載した大型エンクロージャー
電力供給が必要なのは大型の電気モーターだけではありません。大型の主駆動装置だけでなく、その他多数の小型の消費装置にもスイッチギアが供給される必要があります。アルミニウム冷間圧延機の場合、ポンプ駆動装置、抽出装置、ブレーキなどがこれにあたります。そのため、従来は別々の筐体が設計されることが多かったのです。アルミ冷延工場のシステムでは、顧客は各補助ドライブをメインドライブと同じ筐体に設置することを希望していました。
スイッチギアの電気ドライブ用の大型周波数コンバーターは、リタールのTS 8エンクロージャーに設置されています。ドライブへの電源供給は、セントラルサプライユニットおよびバスバーシステムを使用して行われます。周波数コンバーターのサイズは、電気ドライブの出力によって異なります。アルミニウム冷延工場に設置されている最大のドライブでは、周波数コンバーーは完全なエンクロージャを必要とします。スイッチギヤシステム全体は、24個のTS 8エンクロージャで構成されています。4象限動作をサポートする周波数コンバーターを搭載した最新の電気駆動装置は、ブレーキ時にエネルギーをフィードバックすることができます。この種のソリューションは、すべての周波数変換器が共有の直流中間回路を使用している場合に、特に効率的です。Dormann + Winkels社は、独立した2極バスバーシステムを使用してこれを実現しています。同社は、インフィードバスバーシステムと直流中間回路の両方に、リタールのRiLine PLSシステムを使用しています。
RiLine Compactによるエレガントなソリューション
よりコンパクトなスイッチギヤシステムを実現するために、Dormann + WinkelsはRiLine Compactをベースにしたソリューションを開発しました。RiLine Compact は、バスバーシステムを備えたより小型の配電盤を構築するためにも使用することができます。この新しいソリューションは、完全に衝撃から保護されたバスバーシステムで構成されています。恒久的に設置されたカバーには、コンポーネントがバスバーと接触するためのスリットが設けられています。コンポーネントの機械的な取り付けと接触は、工具を使わずにワンステップで行うことができます。このため、RiLine Compactには、必要なスイッチギアやモータースターターなどのプロテクティブコンポーネントを簡単に取り付けることができます。これにより、従来の個別配線に比べ、はるかにシンプルかつ迅速に設置することができます。 アルミニウム冷間圧延機のスイッチギアは、側面からエンクロージャーに設置されたRiLine Compactシステムを使用しています。補助ドライブと小型コンシューマの出力はすべて、関連するスイッチギア・セクションのメインドライブに論理的に割り当てられています。これにより、スイッチギヤの透明性が高まり、特にメンテナンスと保守作業がはるかに容易になります。スイッチギヤの拡張や変更も、RiLine Compactなら非常に簡単です。個々のスイッチギヤや保護装置を簡単に追加・交換することができるのです。ルーマニアの圧延工場の電気技師は、このように安全性の向上の恩恵を受けているのです。
概要
- プロジェクト
- Dormann + Winkels
- 場所
- ケルケン, ドイツ
- 業界
- Electrical-and-Automation
- チャレンジ
追加のエンクロージャーを使用せずに小型補助ドライブ用の電気部品を配置する
- ソリューション
RiLine Compactは、小型および大型の補助ドライブを1つのスイッチギア内に配置します（24個のリタールTS 8エンクロージャ内）。