2020/07/15

リタールの新しい VX IT ラックシステム

エッジインフラストラクチャーをより速く構築

スピードが要求されています:産業構造の変革により、製造業はエッジアプリケーション向けの新しい OT および IT インフラストラクチャーを以前よりも迅速に構築する必要があります。そのための前提は、個々のソリューションをシンプルに、確実に、そして持続的に実現させることのできる、応用範囲の広いモジュラーシステムに基づいたラックシステムです。これらの要件への答えは、新しいリタール VX IT ラックシステムです。このラックは、ハノーファーメッセの Digital Days 2020 で紹介されます。

産業用モノのインターネット (IIoT)、人工知能 (AI) あるいは 5G などの新技術は、エッジアプリケーションのために製造現場における信頼性の高い IT および OT インフラストラクチャーシステムを必要とします。企業が競争力を維持するためには、要求される計算能力のための IT および OT インフラストラクチャーの構築または拡張を迅速に成功させる必要があります。リタールは、新しいラックシステム VX IT でこのためのサポートを提供しています。この新しく開発された製品は、新しい IT および OT インフラストラクチャーの迅速で将来のニーズにも対応可能な構築を実現するペースメーカーです。

スピーディー、フレキシビリティーそしてモジュール性が VX IT の特徴です。また、すべての IT シナリオに、お客様がこの製品を使用することで、最適に対応できるという保証もそれに含まれます。未来のインテリジェントな工場においても同様です。
Uwe Scharf (ウーヴェ・シャーフ)、リタールの、ビジネスユニット IT、インダストリーおよびマーケティングのマネージングディレクター

最新のエンクロージャープラットフォームがテンポを上げます

リタールは、VX IT によって、次世代の IT ラックを開発しました:世界最速の IT ラックです。ユニバーサルモジュラーシステムとして設計されたこのソリューションは、さまざまなエッジアプリケーションにおいてネットワークおよびサーバーラックとして使用できます。お客様にとっての大きなメリット:コンフィギュレーターで作成されたすべての VX IT バリアントは、すべての構成部品を含め、UL 2416、IEC 60950、IEC 62368 などの国際規格に従って、すでにテストされ、認証されています。したがって、構成が済んだシステムのさらなる認証は必要ありません。このことは、新しい IT インフラストラクチャーを構築する際に、最大限の自由と安全性が提供されていることを意味します。このソリューションにより、IT 管理者は計画と調達のための貴重な時間を節約することができ、同時に、すべてのコンポーネントが完全に調和するという保証を得ることもできます。

オンラインコンフィギュレーターは、コンポーネントの選択を段階的に実行し、同時に妥当性チェックも行います。

デジタル式発注プロセス

VX IT を使用すると、企業は、製造ホールにある単体のネットワークラックから、各地に分散されている製造拠点にある完全なエッジデータセンターに至るまで、これまでにないスピードで新しいインフラストラクチャーを構築することが可能となります。このために、リタールは、VX IT におけるデジタル化の可能性を、お客様の利益のために、最大限に活用しています:選択、構成、発注から出荷までの全プロセスは、デジタルでサポートされ、透過的です。構成中に、アクセサリーを含む 3D モデルがピースごとに構築されます。完成した 3D モデルは、さらに使用できるように、ユーザーに提供されます。個別に作成された IT ラックのバリアントは、最先端の製造設備で最高の品質で製造され、最適化されたロジスティクスを介して迅速かつスケジュールどおりに納品されます。

最大の互換性と将来のニーズにも対応

VX IT は、リタールのコンポーネントで実現されている既存の RiMatrix システムやその他の IT インフラストラクチャーとの互換性を提供します。これにより、既存のデータセンターの個々のコンポーネントを置き換えるだけでなく、データセンターのターゲットを絞った拡張も可能になります。たとえば、企業は既存の RiMatrix 設備を新しい VX IT で拡張し、そのために VX IT スペックのコンポーネントを冷却、UPS、または監視に使用することもできます。これにより、既存のリタール データセンターの投資を保護できます。

工具を使用しない素早い組み立て

データセンターで作業する人は誰でも、インテリジェントに設計された使いやすいソリューションを望んでいます。リタールは、VX IT の開発において、このマキシムを徹底的に重視しました。IT ラックの組み立てには時間を節約するスナップインテクノロジーが使われているため、ほとんど工具を使用せずに作業を行うことができます。マーキングされた高さ単位と奥行き方向のピッチパターンは、19 インチ機器取り付け面間距離の設定を簡単にします。サイドパネルやルーフパネルなどのすべてのフラットパーツは、スナップホルダーと位置決めサポートによって、すばやく簡単に取り付けられます。アクセサリー (オプション) として利用できる新しい縦方向に分割されたサイドパネルは、アクセスを向上させ、設置作業やサービス作業を加速させます。縦方向に分割されたサイドパネルにはシンプルなヒンジが付いているので、ドアのように開けることができますが、取り外すことも簡単にできます。さらに、上下2分割されたサイドパネルも利用可能であり、これにより、例えば、サーバーへのアクセスを簡素化させることができます。

耐荷重 (最大) 1,800 kg

VX IT のもう一つの重要な特徴は、その高い剛性です:フレームの構造が改善されたことで、この IT ラックは従来モデルよりも 19 インチ垂直フレームでより高い剛性を実現しています。積載能力は、リタールでの内部テストだけでなく、Underwriters Laboratories (UL) による外部認証によっても証明されました。2つのバリアントが用意されています:「VX IT スタンダード」ラックは、リタールの試験方法によると 1,500 kg、UL 認証によると 1,200 kg の静荷重が許容されます。バリアント「VX IT ダイナミック」は、リタールの試験方法によると 1,800 kg、UL 認証によると 1,500 kg の荷重が許容されます。

ラックに必要なもの

VX IT には、個別のカスタマイズを施すために使用できる、多様なアクセサリーが用意されています。これには、ドアとサイドパネルやボトムとルーフのためのオプションだけでなく、ステータス表示用の新しい LED ライトストリップなどの革新的なオプションも含まれます。 さらに、ケーブルマネジメント用のスライドパーツやサポートパーツのほか、IT ラック内の監視、電力供給、そして資産管理のためのソリューションもアクセサリーとして用意されています。PDU、UPS (無停電電源装置)、IT 冷却システムおよび監視ソリューションなどのコンポーネント (機器類) や、早期火災検出と消火のためのモジュールなどは、内装用アクセサリーです。