背景
ドイツ・ダルムシュタットにある、GSI ヘルムホルツ重イオン研究所は、物質や宇宙の根源的な解明、さらにがん治療の新たなアプローチの研究に取り組む、世界的に評価の高い研究機関です。 同センターが運用する FAIR(Facility for Antiproton and Ion Research)加速器施設では、実験のたびに膨大なデータがリアルタイムで発生します。これらのデータをリアルタイムで処理するため、GSI は敷地内に専用データセンター「Green IT Cube」を設置し、HPC や AI の基盤として活用しています。
課題
GSI の実験データは、最大で毎秒 1,000 GB にも達します。AI や HPC の活用が進むにつれ、サーバーの消費電力が増え、それに伴ってラックあたりの発熱も急激に高まりました。Green IT Cube では、すでに水冷リアドアを導入し、高い省エネ性能を実現していました。その結果、次のような課題が明確になりました。
- 空冷式では冷却能力に限界がある
- これ以上の高密度化・高性能化が難しい
GSI がリタールを選んだ理由
GSI は、ハイパースケーラーやサーバーメーカーと共同開発された、リタールのダイレクト・リキッド・クーリング(DLC)技術を高く評価しました。 展示会での視察を通じて、GSI はリタールの冷却分配ユニット(CDU)が、課題を解決するために必要なソリューションであると判断しました。
- 1 MW 超の冷却能力
- ラックに収まるコンパクト設計
- 既存の水冷設備にそのまま統合可能
- 将来の拡張にも対応できるモジュール構成
これらの点が評価され、リタールの採用が決まりました。
導入内容
リタールは、Green IT Cube に直接液冷システムを導入しました。 本システムは既存の水冷リアドアと連携しながら、プロセッサを直接冷却します。また、Green IT Cube の確立された冷却・運用環境にスムーズに組み込まれました。
導入効果
システムはすでに本格稼働しており、より高い電力密度での安定した AI および HPC ワークロード運用を実現しています。 GSI は引き続き PUE 1.07 未満という非常に高いエネルギー効率を維持しながら、将来の研究に必要なスケーラビリティを確保しています。
本プロジェクトは、エネルギー効率に優れた AI 対応データセンターの実践的なモデルケースであり、リタールの直接液冷システムが実際の運用環境でどのように導入・活用できるかを示す好例となっています。
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【今回の仕様】
直接液冷システム (DLC)
【採用のポイント】
・1 MW 超の冷却能力
・ラックに収まるコンパクト設計
・既存の水冷設備にそのまま統合可能
・将来の拡張にも対応できるモジュール構成