新しい制御盤キャビネットの工学的研究

2018-05-16. 制御盤キャビネット製造の未来はどうなっていくのでしょうか?シュツットガルト大学の「工作機械および製造装置 制御工学研究所(ISW)」がこの問題に関して考察しました。その39ページにわたる調査報告書は、ドイツ制御盤メーカーの現地調査に基づいて書かれています。研究者は現在の製造の産業動向を分析し、推奨される措置を提案するとともに、情報の一元化とインテリジェントな自動化機械時代の動向を概説します。

平均 320ページにもおよぶ回路図や、電気図面に従っての配線に要する時間は平均 54時間で、製造工程における総時間の 49%を占めています。制御盤キャビネットごとに平均 500本のワイヤーを使用すると、文書を読むだけでも約17時間かかります。 代表的な調査結果のひとつに、シュツットガルト大学 ISW から出版された「Control Cabinet Manufacturing 4.0 - 機械・システム工学における制御盤キャビネットと、スイッチギヤの製造における自動化とデジタル化の可能性に関する研究」があります。

エンジニアリング業務効率化の可能性

収集されたデータから、プロジェクトまたはタスク指向の企業が、機能指向のモジュラー回路図に切替えることで、エンジニアリングに必要な時間の45%を節約できることがわかりました。 これを実現するためには、回路図と設計図面を細分し、機能別にモジュール化する必要があります。 機能ユニットは、逐次、一度テストすれば、その後は追加テストを行わずに使用できるよう設計されます。例えば、圧力センサの必要個数を明確にするためには、機能面を考慮した設計が不可欠なのです。研究によると、次のステップで部品選定ツールや製品コンフィグレーターの導入をすることで、約40%の省エネの可能性があることを示しています。

3D がキーポイント

しかしながら、研究の参加者全体の92%がまだ2次元のエンジニアリングツールを使用しています。ISW の部門長 Alexander Verl 教授(工学博士)は、こう述べます。「制御盤製作が一般的に3次元で行われる時代に、なぜ未だに制御盤設計は2次元なのでしょうか? この次元の削減は、直感に反するものであり、非生産的です。完璧に信頼できる制御盤設計によって、エンジニアリング時間を最大35%、製造時間は最大22%を削減できます。3次元による作業図面は、労働者や生産自体にもメリットをもたらします。」

ISW の研究によれば、制御盤の中板やサイドパネルの加工をデジタルデータ内で行うことで、機械加工に費やす製造時間を最大55%削減することができます。また、バーチャル制御キャビネットモデルを使って、ターミナルの仮取り付けを行うと、電気部品の取り付けに必要な時間を90%削減できます。

インテリジェンスによるネットワーク

Control Cabinet Manufacturing 4.0 の研究では、フロー製造プロセスとネスティング生産、アウトソーシングと自社生産、またマルチメディアデバイスの動向にも注目しています。 また、コンポーネントの多様化と運用設備を増やした多数の分散型制御キャビネットに直面する、ますますネットワーク化された生産環境に関して、より多くの論理とインテリジェンスの必要性に関する話題も扱っています。 「強く推奨されるこの研究は、すべての制御キャビネット製造企業に、さまざまな熟考の機会を提供し、企業が生産性を高めるポテンシャルを非常に鮮明に物語っています。」Eplan Software&Service社、Maximilian Brandl 社長は、このように述べます。

設計の研究

4名のリサーチチームは、まず、ドイツ企業12社における制御キャビネット製造の現在の慣行を分析しました。調査対象企業の78%が、自社内での制御盤製造を実現しています。多種多様な部品を挙げたのは63%、カスタマイズ部品は50%以上記載されています。この研究では、設計/エンジニアリングおよび製造/組立部門の個々の研究結果を、従来の標準化および自動化されたプロセスプロファイルに細分し、特定の作業手順の平均時間指定も提示します。 現状の説明を可能な限り明確なものとするための代表的サンプルとして、小規模な機械およびシステムメーカーも大企業と同様に研究に考慮されました。